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政党助成法廃止法案を提出

日本共産党国会議員団は4日、「政党助成法廃止法案」を参院に提出しました。


 以下、日本共産党の田村智子政策委員長の会見の全文です。


 本日、日本共産党国会議員団として参議院に、「政党助成法廃止法案」を提出しましたので、報告します。


 政党の政治活動を支える政治資金は、本来「国民から拠出される浄財」によるべきです。国民は、自らの思想、政治信条に従って、自ら支持する政党に寄付する自由と権利を持っていて、政治資金の拠出というのは、国民の政治参加の権利そのものです。


 ところが、政党助成制度は、国民の税金を政党に配分する政党助成金の仕組みによって、国民は、自ら支持しない政党に対しても強制的に寄付させられることになります。日本共産党は、このような制度は、「思想・信条の自由」や「政党支持の自由」を侵す、憲法違反の制度であると指摘し、制度の創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受け取りを拒否し、同時に制度の廃止を主張してきました。


 改めて見てみますと、1995年の制度施行から2021年までの27年間、政党助成金総額は約8460億円にも上ります。制度導入の際に提案者の側からは「税金に過度に依存しない」としていたにもかかわらず、多くの政党がいま運営資金の大半を税金に依存し、政治資金の7~8割を政党助成金に依存するという、まさに「政党助成金頼み」の政党をつくりだしています。また、政党助成金目当てで理念も政策もぬきにして新しい政党がつくられては解散するということが繰り返されてもきました。


 とりわけ重大なのは、19年参議院選挙の広島選挙区で、前代未聞の選挙買収事件を起こした河井克行元法相と妻の案里氏の陣営に対して、自民党本部から1億5千万円もの資金が提供され、そのうち1億2千万円が政党助成金だったということです。自民党本部は買収との関係を否定していますが、それを裏付ける証拠は示しておらず、この疑惑は未解明のままです。真相解明に背を向けている岸田文雄首相の姿勢が厳しく問われるとともに、この事件は、政党助成制度が民主主義を壊すきわめて有害な制度であるということを端的に示しているといわなければなりません。


 このように制度施行から四半世紀を経て、政党助成制度がきわめて深刻な形で政党の堕落をまねいている。このことはいまや明瞭です。


 政党の側から言えば、政党というのは「結社の自由」のもと、綱領や政策をかかげて、国民の中で活動し、国民の支持を得て、活動資金をつくるということが大原則です。政党自らの活動によって、国民から資金を得る。この努力をしないで、税金頼みとなっていけば、カネへの感覚がまひをする。国民の痛みがわからなくなる。これらが腐敗政治をつくりだす一つの根源になっているのではないかと厳しく指摘したいと思います。


 制度発足時の議論を振り返ると、企業・団体献金を禁止するという口実で導入されたのに、実際には、企業・団体献金は温存され、政党助成金との“二重取り”が続けられ、政治とカネの問題が繰り返されています。また、当時、合わせて「政治改革」として、小選挙区制が導入されましたが、まさにこの制度とあいまって、政党の劣化と堕落を生み出していると言わなければなりません。


 このような民主主義を壊すきわめて有害な制度を続けていいのかが、厳しく問われていると考えます。


 日本共産党は、この法案を提出いたしましたので、すべての政党・会派に対して、ぜひ審議を呼びかけたい。制度施行から27年間の実態を検証して、根本から見直し、廃止に向けた検討をそれぞれの政党もぜひ行っていただきたいということを呼びかけるものです。


 また、国民のみなさんにも、政党助成制度の廃止をあらためて呼びかけて、その世論と運動も起こしていきたいと思います。




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