8月議会にて、公共下水道事業の決算について反対討論を行いましたでの、その内容について掲載します。
令和5年度の公共下水道事業会計は、純利益が1億6297万円、未処分利益剰余金が3億9283万円となりました。
令和5年度は電気料高騰や物価高、労務単価の上昇等により、収支均衡が図れないということから、緊急的な一般会計からの基準外繰入の増額を行いました。
しかし結果は、電気料の高騰は、国の激変緩和措置により、見込みよりも抑制が図られ、収入面でも家庭用・事業用汚水量の増加による下水道使用料の増などにより、黒字となり、経常収支比率も105.2%となりました。
下水道事業経営戦略では、令和15年度の未処分利益剰余金残高が概ね5億円程度確保できる計画となっていますが、令和5年度の決算時点で、見込みよりも大きく増えているのではないかと考えます。
一民間企業であれば、黒字となったことは喜ばしいことかと思います。
また、下水道事業経営戦略上は、資本費平準化債や、一般会計からの基準外繰入を削減するため、さらなる経営強化をする必要があり、これでも足りない、というのが方針に沿った考えかと思います。
しかし、公共性が高い下水道事業にとって、市民の使用料負担だけで事業を維持しようとすれば、いくら経営努力をしても、市場原理によって、市民負担を増やさざるを得なくなります。
下水道事業を安定的で継続的に提供することの重要性も理解するところですが、一方で、下水道を使用していない人にとっても、公衆衛生の点から恩恵を受けていること。
また、公営企業として考えれば、一般会計からの基準外繰入は、物価高に追いつかない厳しい市民のくらしを守る観点からも、計画的に、機械的に削減していくことには反対です。
令和5年度においては、財政が厳しいとしながら、結果は大きく黒字。にもかかわらず、使用料引き上げで市民負担を増やす方向に大きく舵を切った年度とも言えます。
私たちは、市民福祉の向上、公共の福祉の点から見て、令和5年度決算については、市民に寄り添ったものとなっていないと考え、反対とします。
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