市債権放棄の議案に対する質疑と答弁

9月6日に行われた9月議会で、伊勢原駅北口周辺地区整備事業の推進のために、過去の事業の失敗のために残った再開発組合に貸し付けている約6.6億円の市債権の放棄の議案に対し、質疑を行ったのでその概要を報告します。


明日(9月8日)、9時半から、産業建設常任委員会にて、日本共産党伊勢原市会議員団の宮脇議員が質疑や議論を行いますので、お時間のある方は傍聴にお越しください。



私からは、大きく5点について質問を行いました。



1,伊勢原駅北口周辺整備事業が公共の福祉実現の事業となるのか?
 ①住民、市民の暮らしの向上、社会の民主的な発展に資するものなのか
 ②住民、市民の参加と合意で決めた事柄なのか
 ③いろいろな施策の中で優先順位が高いものなのか
 ④眺望や自然環境に配慮しているのか

2,市債権の責任は本来どこにあるのか?

3,なぜ、十数年も事業を放置してきたのか?その上で、なぜ、今、市債権を放棄し、再開発事業の実施をするに至ったのか?

4,市民の声を聞くと、北口を整備することには賛成だが、マンションや観光施設など大型開発には疑問の声が多く、今回実施予定の再開発事業の内容とのギャップを感じる。市は、過去の事業の失敗は「バブル崩壊」や「キーテナントの撤退」が外部要因としているが、市民の声を聴き、市民の利便性を重視したものではなかったために失敗したのではないか。住民の納得、合意を得て進める、市施工で進める方法でも良いのではないか?

5,市債権を放棄するにあたり、住民、市民の声を広く聞き、説明責任をしっかり果たしながら、伊勢原市にあった方法で進める、こうした努力が必要ではないか?



以下その内容です。



1,伊勢原駅北口周辺整備事業が公共の福祉実現の事業となるのか?


①住民、市民の暮らしの向上、社会の民主的な発展に資するものなのか?

市の答弁

 伊勢原駅北口整備については、駅前交通環境の改善や駅前の顔づくりを進めることで、大山や日向などの自然環境を含め、「まち」としての魅力を高め、人や企業からも選択されることで、定住人口の促進、税収増など様々な効果を発揮し、市民の暮らしの向上などに資することができる事業である。



②住民、市民の参加と合意で決めた事柄なのか?

※1回目の答弁はなく、再度答弁求めるも明確な回答は無し。



③いろいろな施策の中で優先順位が高いものなのか?

市の答弁

 第五次総合計画や都市マスタープランなど、まちづくり計画における位置づけや、平成2年度に都市計画事業として事業着手し、既に、30年が経過していることからも、優先度の高い事業である。



④眺望や自然環境に配慮しているのか?

市の答弁

 眺望・自然環境への配慮などについては、今後、事業協力者を選定していく過程で、まちづくりに関する提案や、施設計画を策定していく上で、十分に配慮しながら、進めていく。より具体的な施設計画を策定していく上で、市民の方々にも、情報提供をする。



2,市債権の責任は本来どこにあるのか?

市の答弁

 伊勢原駅北口の再開発事業は、組合が施行主体として実施しており、今回の債権についても、市が組合に貸付けているが、本事業は、駅前広場を含む都市計画道路等を、一体的に整備する極めて公共性が高い事業で、準備組合の段階から、市が主体的に事業を進めてきた経緯から市としても、キーテナントの撤退や、新たな企業誘致など、事業成立ができなかったことに対しては、一定の責任がある


→市に大きな責任があるのではないかと再質問で答弁求めたところ、市の責任を認める



3,なぜ、十数年も事業を放置してきたのか?その上で、なぜ、今、市債権を放棄し、再開発事業の実施をするに至ったのか?

市の答弁

 再開発事業については、平成16年3月に事業中止となっているが、伊勢原駅北口整備は、市の玄関口、市の中心市街地としての整備の必要性は変わらないため、様々な整備手法を検討してきた。


 結果、主に関係権利者の合意形成の観点から、再開発事業が最も優位であることを確認し、平成27年度からは、都市計画道路伊勢原駅前線を延伸させるため、用地先行取得の取組を進め、取得した用地を活用し、北口地区の課題である、交通環境の改善を進めている。


 今年度も現場に動きを示すため、引き続き用地先行取得に取り組んでいる。

 

 用地先行取得を進める過程で、平成29年度には本地区の課題である通称「つゆきビル」用地を取得できたことなどもあり、平成30年度から、民間事業者のヒアリングなどを実施し、事業成立を検証してきた。


 多くの民間事業者から再開発事業に対して強い参画意向があり、地元の機運もこれまで以上に高くなったことを受け、再開発事業を再スタートするにあたり課題となっていた、債権を放棄し、再開発事業を実施していくこととした。


4,市民の声を聞くと、北口を整備することには賛成だが、マンションや観光施設など大型開発には疑問の声が多く、今回実施予定の再開発事業の内容とのギャップを感じる。市は、過去の事業の失敗は「バブル崩壊」や「キーテナントの撤退」が外部要因としているが、市民の声を聴き、市民の利便性を重視したものではなかったために失敗したのではないか。住民の納得、合意を得て進める、市施工で進める方法でも良いのではないか?

市の答弁

 伊勢原駅北口の再開発予定区域である約1.5ヘクタールの区域において、約6割が、駅前広場や伊勢原駅前線といった公共施設を整備するもので、本事業用地を生み出すには、本区域の土地所有者や建物所有者のご理解とご協力がなければ、再整備することは不可能。


 一般的に、駅前のような既成市街地において、土地や建物の価値を共同で建築するビルの床に置き換えることで、権利者の資産を保全しながらも、道路などの公共用地を生み出すことができる再開発事業が最も適している


 しかし、この事業は、敷地を高度利用化することにより事業成立するもので、一定の範囲内で、建築物を高層化する必要がある


 組合施行でも市施行でも、今後、市民の利便性等に配慮した施設計画を立案していくことに変わりはない


 このようなことから、スムーズな意志決定による事業の円滑化とともに、事業期間の短縮、さらには、再開発事業への県補助金の導入など、市としての財政的なメリットも踏まえ、組合施行を選択した。


5,市債権を放棄するにあたり、住民、市民の声を広く聞き、説明責任をしっかり果たしながら、伊勢原市にあった方法で進める、こうした努力が必要ではないか?

市の答弁

 伊勢原駅北口再開発事業については、平成2年度に事業がスタートしているが、バブル崩壊に伴う、社会経済状況の変化により、平成16年3月には事業中止となった。


 その後、長い期間をかけて、様々な整備手法を検討し、関係権利者の意見を聞き、再度、組合施行での再開発事業を実施することとした。


 今後も、施設計画を策定していく上で、関係権利者や地元商店会や住民などの意見を聞き、恵まれた、自然環境や広域幹線道路ネットワークなどを生かした、魅力ある駅前の顔づくりに努める。


 市民には、債権放棄の後、準備組合の設立、事業協力者選定を経た後に、具体的な施設計画を立案していくうえで、適切な時期に情報提供する



 

 上記の市の答弁については、いろいろと突っ込みたいところがたくさんあるのですが、明日の委員会質疑でしっかり議論していただきたいと思います。



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