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陳情第6号及び9号 現行の健康保険証とマイナ保険証の両立を求める意見書提出を求める陳情(日本共産党、他4名が賛成するも賛成少数で不採択)

8月議会での陳情結果と日本共産党伊勢原市会議員団の見解について報告します。


以下、最終日の賛成討論の内容です。


 昨年6月2日に改正マイナンバー法が成立しました。今年、12月2日からは、現行の健康保険証の発行はされなくなります。

 マイナ保険証を持っていない人については、現行の健康保険証は、最大1年間有効となっています。

 また、現行の健康保険証の有効期限が切れた後、保険証の代わりに「資格確認書」が送られてくる予定となっています。

 

 政府は当初、マイナ保険証への一本化を強行しようとしましたが、相次ぐトラブル、政府への不信など国民の批判に押され、結局は、現行の健康保険証を廃止したのち、現行の保険証と変わらないような「資格確認書」を送付するという、無駄な手間とお金をかける愚策を行おうとしています。


 そもそも、マイナ保険証に一本化することには多くの問題やリスクもあります。


 例えば、「災害時・通信障害時に対応できない」ことです。

 マイナ保険証とは、マイナンバーカードそのものであり、病院の機械で番号などが病院に通知される仕組みとなっています。そのため、マイナ保険証自体には保険証番号は記載されていません。災害時・停電時など機械が動かない場合にどうやって確認を行うのでしょうか。

 政府は「災害時は保険証がなくても特別に無料受診できるようにするから大丈夫」と答えていますが、これは大規模災害に限られるもので、災害時でなくとも、「通信障害」や「機器の不具合」は発生します。その際にマイナ保険証が利用できないリスクがあります。

 現に先の能登半島の震災では、被災地で停電が続き、デジタル機器は使えない状況がありました。


 そもそも、国民皆保険制度の下、国民同士の支え合いで成り立ち、国民はいつでも、誰でも、必要な医療サービスを少ない費用負担で受けることができる資格を保有しています。

 医療を受ける際の資格確認方法を保険者が確保することは制度上も当然です。

 それにも関わらず、任意であるはずのマイナンバーカードに半ば強制的に健康保険証の一本化を図ろうとしたり、現行の健康保険証とマイナ保険証で保険診療点数に差をつけたりと、法的にも制度の根幹を揺るがす大きな問題を抱えています。

 

 日本は行政のデジタル化が遅れている、世界水準に遅れないためになどを理由にマイナ保険証に一本化するべきだという人もいるようですが、マイナンバーカードのような国民ID(身分証明書)と、健康保険証を一体化させている国は、先進7カ国(G7)では日本だけです。

 これは、国民世論を反映した民主主義の結果であり、日本では、個人情報漏洩の不安、相次ぐトラブル、「都合のいい情報」しか出さない政府に対して、情報の統一管理を許すのは危険だと不安を感じている多くの国民の不安には応えていません。

 それどころか、マイナンバーカードを事実上義務化するために、政府が一方的に現行の保険証廃止を決める、非民主主義的な方法をとった日本は、民主主義国家として大きな問題があると認識する必要があります。

 

 手続き上も、財政的にも、リスクの面でも、任意であることを鑑みても、現行の健康保険証とマイナ保険証の両立をさせることは誰にとっても困ることはなく、理にかなっており、本陳情に賛成の意見を述べ討論を終わります。

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